大判例

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東京高等裁判所 昭和27年(う)4029号 判決

被告人 久保春雄

〔抄 録〕

所論に基き原審の事実認定の当否について訴訟記録を調査し、原審及び当審において取調べた証拠を検討すると、被告人が昭和二十七年七月六日頃A外数名と共謀して東京都台東区上野公園竹之台緑地において、東京都所有の地下ケーブル線約十米を窃取したという事実はこれを確認し得ないが、被告人はA外二名が右の頃右場所において、東京都所有の地下ケーブル線約十米を掘り出し窃取する際、その情を知りながら、同人等の依頼によりこれを巻き取ることを手伝い、以て同人等の窃盗行為を容易ならしめてこれを幇助した事実は優にこれを認め得るところである。しかるに原審が単に公訴事実として起訴状に記載された窃盜の事実はその証明なきものとして被告人に対し無罪の言渡しをしたのは事実の認定を誤つたものであり右の誤りは判決に影響を及ぼすこと勿論であるから、本件控訴は結局理由あるに帰し、原判決は刑事訴訟法第三百九十七条第三百八十二条に則り破棄を免れない。

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